2016 December
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12月は師も走ると書いて「師走」、先生ではないけれど本当に走らざるを得な い忙しさ。「予定が詰まっている」と言うのが嫌いなどと言っている場 合では ないらしい。街のイルミネーションも更に気分を煽る・・・。打ち合わせが終わ ると夕闇みにクリスマスのイルミネーションが一斉に点灯、美し さにしばし忙 しさを忘れる。 |
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東京は来るたびに新しいビルが建っていて驚くけれど、長い間景観の変わらな かった銀座もとうとう新しいビルが竣工。クリスマスのイルミネーション の時 期とあって、まるでCGで作った絵のよう・・・「未来都市」という言葉がぴっ たり。 |
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パリに戻る前に再び軽井沢で早朝のスキー、当分滑れないと思うとなかなか切り 上げられず・・・。ようやくオープンしたゲレンデのロッジでランチを 頂き再 び滑る。暖炉の薪が燃えるパチパチという音と何ともいえない匂い、コーヒーの 香りと目の前に広がる快晴の雪景色、ゴキゲンなランチになる。 |
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サンジェルマンに戻ると街中クリスマス一色、静かなカフェの朝、クリスマスソ ングを聴きながら留守中の郵便物に目を通す。あと一週間でサンジェル マンも 静まり返る・・・。 |
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クリスマスのヴァカンス前にさまざまな手続きを終わらせなくては、と税務署も 警視庁も大混雑の今週。車の車両書や滞在許可書など、皆それぞれの用 事があ るのだろうけれどいったい何故こんなに人が・・・?フランスの免許書はナント 紙をパウチしたモノで順次カード化されることになるらしく、並 んでいる隣の 人の免許はもうカード。私の免許も早く書き換え交換書が届きますように! |
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サンジェルマンのクリスマスマーケットも始まり、街角にも大きなツリー。今年 はテロの犠牲者への追悼でイルミネーションも自粛気味だけれどビスト ロのク リスマスデコレーションも可愛らしい。寒くてもテラス席が好きなフランス人、 ぴったりくっついた縦列駐車の列もパリらしくアペリティフの テーブル代わり になることも。 |
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我が家の応接間とも言えるご近所のホテルも大きなツリーでクリスマス。今年も 打ち合わせや撮影、ショウルームとしてお部屋をお借りしたり本当にお 世話に なった。美しいサロンでお茶を頂くのもいつものお楽しみ。日本からの友人達も すっかり常連に、テロ以来誰も来なくなって寂しいけれど今しば らくの我慢。 来年は明るい平和な年でありますように・・・。 |
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パリに居ても東京に居ても早起きの私。日本は日の出が早いので私が起きた後す ぐに明るくなるけれど、パリでは朝8時半くらいにならないと明るくな らない 上、明るくなっても陽が薄い。朝のカフェはまだこんなに真っ暗でまるで夜中の よう。もう何時間も仕事をしているのに・・・。 |
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我が家の前の有名なフローリストのブティック、クリスマスのこの時期はツリー にする木が通りまで並んでまるで小さな森のよう。こんな大きなツリー を数人 で担いで行く人もいてクリスマスに賭ける意気込みもスゴイ。普段は使わない暖 炉も皆が集まった時には火をくべたいと、上等の薪もこの時期な らでは。昔住 んでいたアパルトマンには暖炉があって、上等な薪ほどゆっくりじっくり燃える ことを知って驚いた。 暖炉でお部屋を暖めるのは今では大変な贅沢。 |
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クリスマスが近ずくと我が家の近くに牡蠣のスタンドが立つ。いつものように牡 蠣を開けてくれて他のシーフードと共に盛り合わせてくれるようなスタ ンドで はなく、牡蠣だけをダース単位のバスケットで売る。大きなバスケットが次々に 売れてゆくのを見るとフランス人は本当に牡蠣が大好きな事を実 感する。牡蠣 を開けるナイフのような道具も皆さん自分で持っているよう。クリスマスまでに 一体どのくらいの牡蠣を食べるのかしら? |
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昨年は母の喪中で出さなかった年賀状。出来る限り手書きで、と毎日少しずつ せっせと書く。喪中の方にはクリスマスカードと毎日膨大な文字を書 く・・・。最近はメールで済ませることが多いので漢字が出てこない!PCを辞 書代わりにする情けなさ、美しい字でゆったりとお手紙を書く習慣をつ けたい もの。 |
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大通りを挟んで連なるパッサージュの一つ、パッサージュ・パノラマ。撮影でよく使ったホテルや、今は クロー ズしてしまったグラヴューズ(彫版)のブティック「STERN」の面影が懐か しい。独特の美しい凹凸の印刷でネームカードやレターペーパー をオーダーす るこのブティック、重厚な歴史を感じさせる薄暗いインテリアに巨大な剥製、執 事のような男性に迎え入れられるその佇まいは単なる PAPETERIE(紙 のブティック)とは思えなかった。 |
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昔のアトリエがあったカルティエはパッサージュの連なる下町、同じパリでもサ ンジェルマンとはまた違った文化圏。久しぶりに近くに寄ったので懐か しい我 が家の前で記念撮影。パッサージュの中の古本屋さんももちろん健在、まるで時 が止まったかのように何もかも変わっていない。2階に続く螺旋 階段の奥には 大変な数の蔵書、映画関係の方々が資料を探しに来る事でも有名なこの古本屋さ ん、まるで映画の一コマのような美しい佇まい。 |
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サンジェルマンはさまざまに素敵で良いけれど、コト「食」に関してはなぜか下 町の方が圧倒的に豊か。昔よく通ったこの商店街には素晴らしい食材が 豊富に 揃う数々の専門店がある。AOC(Apellation d'Origine Controlee)原産地統 制呼称を与えられた世界一の地鶏とも言われるブレス産の地鶏、バッジをつけて 威風堂々と並んでいる。お隣の七面鳥も剥製のよ うでかなりの迫力。今ではフ ランス中でも700軒くらいしかないという馬肉の専門店もある。いずれにして もフランス人はお肉が大好き・・・。 |
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迫力のお肉屋さんを見た後に、お魚屋さんに着くとほっとするのはやはり日本 人?お肉好きのフランス人が一年で最も多くシーフードを食べるのはこの クリ スマスではないかしら?・・・と思うほど、さまざまな種類の牡蠣、蟹、海老、 ロブスターをはじめ貝類が一斉に並ぶ。イヴの夜に間のために大皿 のオーダー をする人でごった返す今日、オーダーが終わるとピックアップに来る時間のメモ をもらう。 |
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いつもは夜の長いパリも今晩だけは19時くらいまでとあって、昼にオーダーし ておいた牡蠣をピックアップに来る人たちで再びごった返すお魚屋さ ん。もう 街は水を打ったように静か・・・。イヴの夜は家族で過ごすフランス、大 晦日の日本の街のよう。 |
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とうとうイヴの夜、サンジェルマンには本当に人っ子一人いない・・・。例年は パリで華やかにイヴを祝う観光客も多いけれど、今年はテロの影響で 19時に は全てがクローズ。当局の「絶対に何事も起こさない!」という執念ともいえる 措置も致し方ない。サンジェルマン大通りのイルミネーション も無い今年のク リスマス、静かに嵐が過ぎるのを待つ・・・。 |
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クリスマス当日、サンジェルマン・デ・プレ教会のミサは代々サンジェルマンに お住まいの方々の荘厳なクリスマスのセレモニー。私は午後のチャリ ティーコ ンサートを聴きに行く。コンサートの後は教会に続く道でクリスマス・マーケッ トを楽しむ。ホットワインを飲みながらそぞろ歩くのも楽し い。 |
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イヴが明けると街に少しだけ活気が戻って来る。日本で言う元旦の午後のような 感じ?それでも今年は19時くらいで再びクローズ、束の間の賑わいを 惜しむ ように楽しむ人でカフェのテラスも華やか。今年は暖かいクリスマス、皆さんの 心も暖かいクリスマスでありますように・・・。 |
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今年は本当に暖かい12月のヨーロッパ、乗り換えのローマは珍しくタラップで 滑走路に降りる。コートを脱いでも汗ばむような暑さと灼熱の照り返 し・・・。巨大化した新しいターミナル、トラムに乗って行けども行けども次の コネクション・フライトのゲートに辿り着かない。免税店も巨大ショッ ピング センターのようで空港だという事を忘れそう。 |
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ローマの空港のさまざまなリニューアル工事もようやく終わり、出来上がったば かりの巨大ターミナルはヴァカンス時期とあって家族連れの旅行者で大 変な混 雑。ようやく辿り着いたラウンジ、こちらもターミナル同様巨大化していて、見 渡す限りソファが並び、長いバーカウンターではスプマンテがポ ンポン抜かれ ていく。ミールサービスもゴージャスでリストランテさながらにファミリーディ ナーを取る中東の方々も。何だか濃い雰囲気の充満したラ ウンジ・・・。 |
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昨年のテロ以来、成田に飛行機が着陸すると何とも不思議な安堵感がある。テロ 当日のパリの夜、そしてその後数日の独特な閉塞感がまだ忘れられない のかも 知れない。夜明けの雲を抜けて快晴の成田に到着、澄んだ空気と暖かな陽射しは 日本の冬ならでは。2020年のオリンピック準備も始まる 2017年、今年 もあと数日。 |
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diary
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大晦日の早朝、今年の滑り納めとゲレンデへ。素晴らしいお天気ではあるけれど 寒い!気温が低いので真っ青な澄んだ空に霧氷が映えて素晴らしく美し い。木 漏れ日に反射して時折ほんのり薄桃色に見えたり、まるで満開の桜並木のよう。 2016年も暮れてゆく・・・。 |